( )店員さんのBlog

なんか書き殴ってます

紙メディアとwebメディアのシナジー/ブリッジに関するアレコレ

 

f:id:vansoffthewall:20151018183610j:image

先日書いた、「圧倒的淘汰が始まる前に、webメディアについてそっと書き記しておいた」ですが、一部の人からは納得でき、また一部の人からはてんで分からんと、両方の意見を頂戴することができました。属する業界によって意見が分かれるのはもちろんのこと、自分たちが信ずるスタンスでコンテンツ作成/メディア運営されている方々にとってはなかなか容易には受け入れがたい内容でもありました。

 

今回はまた別のテーマとして、紙メディアとwebメディアの繋がりといいますか関係性といいますか、両者の関わり方や方向性について記してみたいと思います。序盤が長すぎてすでに離脱してしまった方々も何割かいらっしゃるとは思いますが、前回同様個人の戯言だと考えていただいて気楽に読んでやっていただけると幸いです。

 

1. 紙メディアとwebメディアにおけるシナジーの有無

先に個人的な意見を申し上げますと、紙メディアとwebメディアをただそれぞれコンテンツを更新し続けるだけではどう足掻いてもブリッジできないと私は考えております。なぜかというと、そもそも同じ媒体の紙もwebも両方チェックする人は絶対的に絶対的に少数であり、ほとんどの人はどちらか一方で満足してしまうからです。

 

メディアに携わる人間か、もしくは重複する金額を払ったとしても形の違ったメディアにて情報を摂取したいという意志や両方で見なければ行けないような人であれば、無料有料が入り乱れ重複しながらも同じメディアを違った方式で見るということはあり得るでしょう。しかしながら、そういったカテゴリーに属する人というのは前述の通り絶対的少数でしかないため、ほとんどの人はよっぽど好きでない限り媒体を複数またぎながら同じメディアの情報を摂取するというのはやはり少ないのです。

 

ですので、たまにメディアに携わる人から聞く、「どうやって紙とwebでシナジーを生むのか」という議題に関していえば、そもそもシナジーを生むもんだと考えるべきではないのではないか、と私は思うのです。

 

2. 紙媒体とweb媒体をつなぐもう2種類のコンテンツ

では両媒体を運営していても打つ手はないのか、というわけではありません。メディア運営者にとっては少し奇妙な話に聞こえるかもしれませんが、紙とwebの各メディアごとに発信されるコンテンツ同士ではシナジーを生みづらいのですが、そこにもう1クッション挟むことが両メディアのシナジーを生むことにつながるのではないかと思うのです。そしてそのクッションとは2種類あると思っています。

 

一つは場を用意すること、つまりユーザーとダイレクトにコミュニケーションをとるリアルのイベントを実施しましょうというものです。

そもそも読者が両方の媒体で読むことはほぼないという前提にたてば、両媒体からブリッジさせるのではなく間に1つコンテンツを挟むという考えに至ります。そして両媒体の良さを一度に知ってもらう、そのためには両媒体の読者を1箇所に集めて理解を促したりなにかしら体験してもらうのが手っ取り早くなります。なので、そのコンテンツ自体をどうするかには議論が必要ですが、媒体ごとで直接シナジーを産めないのだとすれば、じゃあそれぞれの読者にいっぺんに良さを知ってもらうリアルの場でのイベントが効果的ではないかと思うのです。それに、読者同士距離感も近いですしね。

 

もう一つは他企業とコラボするメディアをどんどん立ち上げましょうというものです。

 メディアには大きなパワーとともにリーチ力があります。しかし、そうはいっても普段読んでもらっている読者層に限ります。じゃあそのパイをいかに広げていくのかということを考えれば、自分たちだけではなく周りを巻き込もうという発想にたどり着きます。周りのリーチカを活用し、普段の自分たちのみでは辿りつけない数や層にまでリーチすることが可能となります。自分たちだけの力でどこまでやれるか確かめている、というような場合を除き、これからのメディアはどんどん特別企画的なものや攻めていく施策として、他企業とコラボしていくようなものが増えていくのではないでしょうか。

 


f:id:vansoffthewall:20151018183746j:image

 

3. 広告モデルからの脱却

タダより高いものはない、とはよく言ったものでして、無料で閲覧できるメディアはなにかしらの旨味があるからこそ無料で運営しているわけです。それが読者へのリーチカを糧とした広告なわけです。コンテンツ作り、集め、リーチカを高める。
広告主は自分たちが定めたターゲットが大勢いるメディアへ出稿します。自社と消費者のコミュニケーションを図るためにも適切なユーザーが多く存在するメディアへの広告、これこそがメディアにとっては収益源なわけです。
 

しかし、それって単にメディアからの情報を楽しんでるユーザーの体験価値をぶった切ってきているのに等しいわけです。無料製品に溢れるコメントに一つとして「広告が出なければもっといい」「広告ウザい」等の文言の数々。いやそれ無料だからでるにきまってんじゃんとはいえない世知辛さも内包されているわけです。ただ、その大きな壁を越えてきたのがLINEのスタンプではないでしょうか。無料でユーザーを集め既存の広告手法で無理矢理表示させるようなモデルではなく、ユーザーに使ってもらえるような形を突き詰めた結果の一つがあのモデルを生み出したのではないでしょうか。

 

他にも単純に定期購読してもらえるような仕組みづくりをしているメディアは数多く存在します。それらのメディアはやはりリアルとwebのシナジーを考えつつ、課金してでも読みたいと感じさせるなにかを提供出来ているためそのモデルが成功しているとも言えます。メディアから発せられる情報が記事型コンテンツのみだと思い込んでいると、読ませる、見せる、くらいしか発想が生まれてきませんが、そこに使ってもらう、遊んでもらう、というアイデアを垂らしてみるのは悪くない手だと思うのです。

 

メディアが情報を届けるべきは消費者ですが、メディアがマネタイズできるのは企業と消費者の2通りあります。しかも、企業からいただく広告費用が大半を占める場合、やはりもっともっとBtoBtoCのマネタイズ方法を、ユーザー体験を損なわないモデルを考える必要性があります。体験価値を重視すべきこの時代、やはり企業もメディアもより突き詰めたマーケティング施策を考えて行く必要性があるでしょう。

 

 結

相も変わらず長文となってしまいましたが、まぁ多分 伝わったらいいな〜ってことの数%は書けたような気はします、多分。記述していることの「じゃあそれ実際どうすんの」までは今回踏み込んではいませんが、不定期にぽつぽつ書いて行ければとは思います、多分。